新しい定性調査に関する情報マガジン バックナンバー vol.71

2019年のリサーチ業界予測 3つの疑問について考える

今回は、年頭に当たり、2019年、我が国のリサーチ業界はどうなるのだろうかという話です。皆さまは今年、我が国のリサーチ業界はどのようになると予測していますか。

 

ネット上では海外の識者が2019年のリサーチ業界について様々な予測を述べています。その中で、特に我が国のリサーチ業界に関係のありそうな3つの疑問をピックアップしてみました。その3つの疑問とは
 

  1. 定性調査 vs 定量調査の割合はどうなるのか? 
  2. 我が国のリサーチ業界で大手企業の寡占化が進むのか?
  3.  AIは我が国のリサーチを変えるのか?
     

です。

 

皆さまは日本のリサーチ業界においてこれらの疑問についてどうなると思いますか。今回は、この3つ疑問についての答えを考えてみました。

 

定性調査 vs 定量調査の割合はどうなるのか?

2012年:14.5%

2013年:14.4%

2014年:16.4%

2015年:19.7%

2016年:21.4%

 

 

 

これは何の数字の推移を表しているかわかりますでしょうか。日本マーケティングリサーチ協会(JMRA)が毎年実施している経営業務実態調査におけるアドホック調査売上における定性調査の割合の推移です。

 

※ 100%から上記をマイナスした数字が定量調査の割合となります。

※ 最新2017年度の結果は18.2%ですが調査票変更があったため上記と比較はできないそうです.

 

この数字の推移から見ると近年、我が国のアドホック調査においては定量調査の割合が減り定性調査の割合が増えている傾向を見て取ることが出来ます。この傾向は2019年度以降も続くのでしょうか?または今後定量調査が盛り返してくるのでしょうか?

 

米国Respondent Inc.のCEO Jack Pratten氏はリサーチ業界において定性調査が今後、定量調査の分野を浸食していくのではないかと主張しています。Respondent社は定性調査をメインでされているようでポジショントーク的な主張ではありますが、私としては、その主張は我が国の実情にも当てはまるところが多くあると感じております。以下にPratten氏が書いた記事を紹介させていただきます。

 

++++++++++++++++++

「定量調査はWhatを理解するのに適しているが、Whyを理解するには定性調査が必要だ」

「消費者との直接の対話は企業が自社の製品がなぜ売れないのか、なぜ事業が成長しないのかを理解するのに必要不可欠である。」

 

マーケティングに関わるも者は皆、このような定性調査の重要性を認識している。

 

一方で定性調査は定量調査に比べて費用がかかり、有効な結果を得るためには様々なプロフェッショナルなスキルが必要である。インターネット時代である現在において定量調査で大規模なサンプルにアクセスすることは非常に簡単である。そこで、多くの企業は自社の顧客を理解するために定量調査を利用しているというのが実情である。

 

しかしながら、その傾向は変わりつつある。リサーチャーは大規模なサンプルの定量調査から目を背け、生活者との密な対話に注目し始めている。多くのことが定量的に測定され分析されることが可能になってきたビッグデータの時代においてなぜ定性調査が勢いを盛り返してきているのであろうか。私は以下の3つが理由だと考えている。

 

  1. 多すぎる無駄なデータ

    現代のデジタル社会はデータの価値を高め、情報を収集する方法も多様化している。定量調査はかつて紙の調査や他の手作業による方法に限られていたが、今、企業はデジタルツールを使って簡単に膨大なデータを集め測定することができる。例えば最も人気のあるツールであるSurveyMonkeyは、毎日2000万の質問に対する回答を集めている。



    簡単に手軽に定量調査でデータを集めることが可能な現在の環境において、多くの企業は収集しているデータが実際に価値があるものかどうかを考えようとしない。リサーチの素人が作成した誘導質問だらけの調査票、稚拙な調査設計が溢れているのである。そして、そもそも決して収集するべきではなかった情報に基づいて不適切な意思決定を下し始めている。このような状況に危機感を感じ始める人が増えつつあるのではなかろうか。

     
  2. 定量調査のサンプル品質の悪化

    大規模な定量調査が簡単に実施できる環境になった一方で、サンプル(対象者は)は定量調査に回答することに疲れ始めている。最新のGRIT(GreenBook Research Industry Trends Report)に回答したリサーチャーは 


    「今や20分のアンケート調査に喜んで回答する人はいない」
    「これらの問題に私たちが早急に取り組まなければ、サンプルの品質は低下し続ける一方であろう。」


    と述べている。


    定量調査におけるサンプル品質の低下は、現在リサーチャーの間における大きな関心事である。実際、2017年Q3-Q4のGRITでは、約4割のリサーチャーが今後数年間にサンプルの品質が低下し続けると回答している。彼らは、「過剰な回数調査依頼」、「回答者を落胆させる過度に長い調査」、「そしてプライバシーの懸念の増加」がサンプル品質の低下に繋がっていると考えている。


    また一部のリサーチャーは回答者の不誠実な回答や不正行為に頭を悩ませている。例えば、現在アンケートに機械的に回答することが出来るボットというツールがリサーチモニターに普及していることが知られている。また、例えばある研究ではオンラインリサーチの10~20%の回答は信頼できないものであるという調査結果が出ている。


    ※この研究結果は興味深いです。我が国でも同様な実験を実施しているリサーチ会社様があるのかもしれませんが、中々結果は一般に公表されないことを考えると貴重な情報かと思います。


    一方で定性調査はオンライン定量調査のスコープやスピードに匹敵することはできないが、各回答者と実際の会話を行うことで、ボットや不誠実な回答のすべてを排除することができる。これは、企業がリサーチの品質を保つための最も効果的な方法の1つである。


     
  3. 様々な優れた定性調査ツールの登場

    これまで定性調査はWhyやHowを明らかにし、サンプルの品質も保証されている手法であるにもかかわらず、進化した調査手法であるとは考えられてこなかった。なぜなら、実施における多くのパートがテクノロジーよりも人間に頼ってきたからである。そこには熟練した職人のようなモデレーターやリサーチャーが必要であり、人の手によって丁寧にリクルートされた対象者が必要だったからである。


    しかしながら技術の進歩は、定性調査がどのように実施されるかということだけではなく、誰が何をできるかというということについても変化を与えつつある。その結果、定性調査はより利用されやすくなって来ている。


    今日のテクノロジーを使用すれば、企業は適切な対象者をすばやく見つけてインタビューに招集することができる。そしてスケジューリングを行い、ビデオチャットソフトウェアを使用してインタビューをリモートで実施することもできる。その後のインタビュー参加者への謝礼の支払いも非常に簡単である。特に、回答者を集めるためのオンラインマーケットプレイスの出現により、非常にニッチなターゲットを集めることも可能になっている。これは定性調査をあらゆる規模の企業が迅速に低コストで利用できる洞察を発見するために使用できる強力なツールに変えた。


    これらの傾向から、定量調査が消滅する危険があると言っているのではない。 オンラインリサーチや他の定量的方法は、今後もデータを収集するための価値ある方法であり続けるであろう。 しかし、定性調査がもたらす恩恵をより多くの企業が認識するようになり、またより優れたツールやテクノロジーによって定性調査が利用しやすくなるにつれて、多くの企業は定性データやインサイトが自社戦略にどのような価値をもたらすのかを真剣に考えるべき時期が来ているようである。

++++++++++++++++++


以上、Pratten氏の主張を紹介させていただきました。この主張の中で、私が特に注目したいのは2番目の「サンプル品質の悪化」という点です。皆さまご存知のように、我が国のオンラインリサーチにおいては、この点が(そもそもネットリサーチへの回答率が低下しつつあるという問題も併せて)深刻な問題になりつつあるようです。このことは我が国のリサーチ業界にどのような影響を及ぼすのでしょうか。

オンラインリサーチにおけるサンプル品質の悪化という問題、現時点ではリサーチ業界サイドだけが現状を認識して危機感を感じている状況かもしれませんが、今後ユーザーサイドにもその認識が広まってきた時に何が起こるのか。リサーチユーザーの注目が定性調査にシフトすると考えるのも自然なように思いますが皆さまはどう思いますか。

 

我が国のリサーチ業界で大企業の寡占化が進むのか?

再びJMRA経営業務実態調査からのある結果です。

2013年:41社(39.4%)

2014年:41社(40.2%)

2015年:36社(34.6%)

2016年:31社(31.6%)

2017年:28社(29.8%)

 

この結果は何だか分かりますでしょうか。

 

JMRA会員社における売上が2億円以下の企業数です。なお、会員社でこの調査への未回答企業があるようなので()内の調査回答企業における割合も併せてみた方がよいかもしれません。いずれにせよ、売上規模が2億円以下の企業が年々減っている傾向が見て取れます。リサーチ業界全体の売上は過去数年微増傾向であること、21億円以上の企業が2013年14社⇒2017年21社に増えていること等を考えると、我が国のリサーチ業界では近年、大手調査会社の寡占化が進んでいると言えるようです。この傾向は2019年も続くのでしょうか。売上規模が小さな調査貴社に生き残る道はないのでしょうか?

 

海外においてはReach3 Insights社のCEO & FounderであるMatt Kleinschmit氏が2019年のリサーチ業界の予測の一つとして「Ambivalence to the big, and an interest in the small(クライアントの大規模調査会社と中小調査会社への興味という二面性)」ということを述べられているので以下にその予測を紹介させていただきます。Kleinschmit氏の予測が我が国のリサーチ業界に当てはまるのかどうか、考えながら以下のKleinschmit氏の主張をお読みいただければと思います。

 

++++++++++++++++++

2018年、イプソスがGfKのカスタム部門を買収したり、SSI社とResearch Now社が統合したりといったビッグニュースがあった。企業が大きくなることは規模の経済によりコストダウンが図れるという明確なアドバンテージがある。グローバルなプレゼンスがあがりリーチが可能になるという点もメリットであることは言うまもない。

 

これからもリサーチ業界では企業の統合や買収が進み寡占化が進むのであろうか?私は、過去半年にわたって様々な識者とこの議論をしてきたが、その結果、2019年クライアントは小さな調査会社に引き付けられると考えている。その理由は、小さな調査会社の持つ専門性とイノベーションである。

 

クライアント企業が大きな調査会社と仕事をしているのは、単に過去の慣習を簡単に変えられないという理由だけの場合も多い(現状維持バイアス)。また、シニアレベルでの関係性といった点も大きい。しかしながら、大きな調査会社ではシニアレベルはマネジメントの仕事に注力し、実際の仕事はジュニアのリサーチャーに振り分けられて実施される現状がある。そこで大きな調査会社にシニアコンサルタントの仕事を期待してリサーチを発注したクライアントがジュニアレベルの仕事しか得られずフラストレーションに繋がるケースも多い。

 

一方で小さな調査会社ではシニアレベルがクライアントとの実務(リサーチ)に関わり、深い洞察や分析をもたらすケースが多い。そこで小さな調査会社がリサーチの専門家やリサーチのベテランが社内に少なくなってきているクライアント企業で重宝されるといったことが起きている。

 

加えて小さな調査会社が注目される大きな理由としてクライアント企業において顧客の心に刺さるイノベーションへの渇望が強くなってきていることが挙げられる。先進的なクライアント企業では、消費者を360度理解することによって、彼らの行動、価値観を理解し、それを何がそれを突き動かしているのかを理解しようと考えている。クライアントは消費者が口に出して表現できない、また自分も気がついていない人間の本質を明らかにしたいと考えている。そこで、これらのインサイトを見つけるための新しいアプローチやテクノロジーにはとても興味を持っている。多くのクライアント企業が、自分たちが必要としている新しいイノベーションを導くために、新しいアプローチやテクノロジーを持つ、小さな、機敏なパートナーと仕事をしたいと語っているのである。

 

小さな調査会社への流れはリサーチ業界だけの話ではない。広告業界でも過去数年ブティックタイプのエージェンシーが従来の大規模エージェンシーの仕事を奪うという傾向が見られる。

 

2019年、モバイル対応へのニーズ拡大や消費者行動の理解を明らかにするために特化した技術へのニーズの高まりにより、多くのクライアント企業はより小さな調査会社に引き付けられる様子を目にするであろう。

++++++++++++++++++

 

皆さまは、Kleinschmit氏の予測についてどう思われますか。我が国でも同じようなことが起きつつあるのでしょうか。

 

ただ、ここで注意が必要なことがあります。それは2019年に注目される小さな調査会社というのは、単に事業規模が小さい調査会社ということではなく「新しいアプローチやテクノロジーを持つ」小さな調査会社であるということです。新しいアプローチやテクノロジーを持たない従来からのアプローチを行う小さな調査会社はやはり大規模調査会社に飲み込まれ淘汰されていく運命にあるのかもしれません。

 

では、新しいアプローチやテクノロジーを持つ小さな調査会社とは具体的にはどのような企業なのでしょうか。今、米国ではRemeshというスタートアップ企業が定性調査にAIを取り入れたサービスを提供することで大きな注目を浴びています。次のセクションでは、Remesh社のサービスについて紹介しつつAIは我が国のリサーチを変えるのか?ということについて考えてみたいと思います。

 
 

AIは我が国のリサーチを変えるのか?

この疑問に関しては皆さまも大きな関心を持っているのではないかと思います。そもそも現在リサーチャーはAIについてどのように考えているのでしょうか。

 

最近SAP社に買収されて話題になったオンラインリサーチツールのリーディングプロバイダーであるQualtrics (クアルトリクス)社は2018年6月に250名のリサーチ業界関係者にリサーチ業界におけるAI活用に関するオンラインリサーチを実施しました。

 

その調査によると

 

AIはリサーチ業界にとって・・・

  • 脅威だと思う:7%
  • オポチュニティをもたらす:93%

 

AIはリサーチにポジティブなインパクトを与える

  • 80%が同意

 

AIによってリサーチ業界の仕事が・・・

  • 増える(26%)
  • 減る(35%)
  • 変化なし(39%)

 

という回答結果だったそうです。

 

海外のリサーチャーは、AIのリサーチ業界へのインパクトに関しては楽観的なようです。我が国のリサーチャーに同じような調査をするとどのような結果になるのでしょうか。似たような感じになるのかと思います。

 

しかしながら我々は本当に呑気に構えていてよいのでしょうか。AIによるリサーチ業界破壊は目に見えないところで徐々にかつ着実に起こっているかもしれません。そしてゆでガエルのようになってしまうかもしれません。

 

GRIT調査を主催しているGreenBookのExecutive editor and producer、Leonard Murphy氏は以下のように語っています。

 

「多くのリサーチャーはAIは単にルールに基づいたオートメーションであると主張している。しかし、それはAI利用の序章に過ぎない。AIの真の力が発揮されるのはこれからであると考えておくべきである。」

 

ちなみにGreenBookはIIex(Insight Innovation)というリサーチ業界関係者のためのカンファレンスを定期的に開催しており、その中でInsight Innovation Competitionという新しいリサーチ手法やリサーチビジネスモデルの公募・審査会を行っています。このInsight Innovation Competitionにおける2016年の受賞者が、今から紹介するRemeshというリサーチプラットフォームです。

 

Murphy氏はRemeshについて

 

「Remeshの本質はAIの力を利用することによってデジタル時代の定性調査を生み出したことである。その破壊的なテクノロジーは大規模スケールでリアルタイムなグループインタビュースタイルの消費者との対話をリサーチサプライヤーやリサーチユーザーに可能にさせる。決して間違った分析をすることなしに・・・」

 

と語っています。Murphy氏にこのように評されるRemeshとはどのようなサービスなのでしょうか。

 

先日、Remeshが、そのサービスについてWebinarを開催してくれました。そのWebinarから、Remesh社の定性リサーチプラットフォームについて簡単に紹介させていただきます。

 

<サービスコンセプト>

人間を理解するためには対話をすることが一番である。しかしながら大勢の人と一度に対話することは難しくそこから定量的な理解を得ることは難しい。しかしながらAIの力を使えばそれが可能になる。それを実現するのがRemeshである。

 

<基本的な仕組み>

100~200名の対象者が指定された時間にRemeshのリサーチプラットフォーム(チャットができる掲示板のようなもの)にログイン、このリサーチプラットフォーム上で特定のリサーチトピックについて話し合いを進めます。

 

<Remesh流定性調査の進め方>

  1. モデレーターが質問を投げかける

    質問例:「あなたは普段利用しているブランドXが、Xを購入したら購入金額の1%が自動的に環境保護に寄付されるというキャンペーンを始めたらどのように思いますか。あなたの第一印象をご記入ください。制限時間は2分間です」


     
  2. 参加している対象者は上記の質問に対して回答を記入します。

    ⇒参加者全員(100~200)の自由記述回答が収集される


     
  3. AIが即座に収集された自由回答を分析

    ⇒AIが同じような内容(コンセプト)の回答をグループ分け


     
  4. AIが収集された200の自由回答から、そのいくつかをプラットフォーム画面上にペアを呈示し、どちらの回答がより自分の気持ちに近いかを質問

    質問例:「あなたはAとBとどちらにあなたのお気持ちが近いですか?近い方をお選びください。」
    A: ブランドXに対する印象はあまり変わりません。
    B: それによって普段購入しているXの価格が変わらないのであれば、よいことだと思う。でも値上げするのであればやめて欲しい。


    ※ このような質問をAIが自動的に生成し10~15のペアについて繰り返して質問し回答を収集
    ※ 対象者は他の対象者が回答した自由回答を評価することにより、どのような回答が最も共感できるかが測定されることになります


     
  5. ステップ4の回答をAIが分析することによって、どのような内容の回答がどの程度、共感されるのかを分析。モデレーターは、その結果を見ながら、次の質問(共感力が最も強かった回答について)フォローアップ質問を投げかける。

     
  6. 1-5のステップを繰り返すことによって、最終的に、1時間程度のセッションで、様々なモデレーターの発する質問に対しての定量的な反応がグラフ化された結果が得られる

 

※ AIがどのように分析しているのかというロジックについては詳しくわかりませんが、自由回答の内容からAIを使ってコンジョイント分析のようなことができるみたいなイメージをすればよいように思います。

※ 私がWebinarの内容を正確に理解できていない部分もあるかと思いますので、興味のある方はぜひオリジナルのWebinarをご覧いただければと思います(英語ですが・・・)



皆さまいかがでしょうか。私も実際のセッションの内容や分析結果を詳しく見たわけではないので、このシステムがリサーチ手法として現状どの程度のレベルの価値をもたらすのかはよくわかりませんが、定性調査の回答が定量的に分析できるというコンセプトは非常に興味深いと感じました。また、短時間で結果が得られるというのも大きな魅力です。チャット式掲示板で100~200名程度の対象者と対話するというのはMROCに近いのかもしれませんが、MROCが数週間かかるのに対してRemeshはリアルタイムで結果が出せる、また拘束時間のことを考えるとMROCと比べてモデレーターの負担は極めて少なく、分析はAIが自動的に間違いなくやってくれる・・・これが高いレベルで実現可能であれば、今後のリサーチを大きく変革する可能性があるのではないかと感じています。

 

なお今回は一例としてRemesh社を紹介させていただきましたが、海外ではRemesh以外にもAIを使ったリサーチサービスがいくつか登場し注目を集めているようです。これからも本メルマガでは、そのような企業やサービスをウオッチしていきたいと思っています。

 

2019年のリサーチ業界予測

以上、2019年の我が国のリサーチ業界について3つの疑問を通して考えてみました。そして私は

 

  1. 定性調査 vs 定量調査の割合はどうなるのか? 

    ⇒ 定性調査の注目度はより高まり、利用割合は増え続ける。


     
  2.  我が国のリサーチ業界で大手企業の寡占化が進むのか?

    ⇒ 新しいアプローチやテクノロジーを持つユニークな特徴をもった小さな調査会社は注目されるが、従来からのアプローチのみを行う小さな調査会社はやはり大規模調査会社に飲み込まれ淘汰される傾向が続く。


     
  3. AIは我が国のリサーチを変えるのか?

    ⇒ 2019年、AIによって我が国のリサーチ業界が一気に大きく変わることはない。しかしながらAIは今後、徐々に、かつ着実に我が国のリサーチ業界に影響を及ぼし始める。そして何年後かはわからないが、AIが現在のリサーチ業界を大きく変えてしまうであろう。2019年度は、その序章の始まりの年になる。

     

 

と予測させていただきます。皆さまの予測はいかがでしょうか?

 

新年早々長文となり恐縮ですが最後までお読みいただきましてありがとうございました。

 

本年もよろしくお願いいたします。